子どもたちに何かを伝える時、「もっとちゃんとしないさい」とか「むこうのほうに走るよ」などの曖昧表現を使っていませんか?
実はこの表現、子どもたちには伝わりにくいことがあります。特に言葉の理解が苦手な子たちは曖昧表現を適切に受け止めることができず、フラストレーションを抱える原因にも。つい無意識で使ってしまう曖昧表現には、どのようなものがあるでしょうか?
子どもが理解しにくい3つの曖昧表現の例
「ちゃんと」「きちんと」
子どもを注意する時に言ってしまいがちな言葉です。できるだけ具体的な名称を交えて指示するようにしましょう。たとえば「お洋服は1枚ずつ畳んで、テーブルの上に重ねて置いてね」「宿題は3ページ目の最後まで終わったのかな?」といったように、数字や場所を言葉に取り入れてください。
「好きなだけ」「適当に」
「好きなだけ遊んでいいですよ」といったように、相手の裁量に任せる時に使う表現です。しかし、この“好きなだけ”“適当に”いう感覚が分からず悩んでしまう子もいます。できれば「今日は17時まで好きなだけ遊んでいいですよ」と具体的に示しましょう。
「いい子」
これも、大人がよく言ってしまう曖昧表現のひとつです。この場合は「先生がお部屋にいない時は、椅子に座って本を読んでいてください」のように、具体的に望ましい行動を伝えるようにしましょう。また、褒める時も「すごい」「いい子」ではなく、何が良かったのか、その時の行動を具体的に伝えるようにしましょう。
具体的な言葉の表現は、伝わらないストレスを減らしてくれる
紹介したような方法で会話をしていくと、行動の食い違いが起こりにくくなります。保護者の中には「なんでうちの子は話を聞いてないのかしら!?」と、言いたいことがうまく伝わらないイライラを抱えている方もいます。スムーズなコミュニケーションができるようになれば、このイライラも減っていくはずです。
会話は発信する・受信するという双方のコミュニケーションです。伝え方と受け取り方次第で、様々なコミュニケーションが生まれます。子どもが言葉の理解を苦手としていたら、まずは発信の方法を工夫してみると良いかもしれません。
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佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |
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