おねしょを隠そうとしたり、食べ残しをしたのに「全部食べたよ」と伝えたり……クラスの子どもたちがそんな嘘をついたら、あなたはどのように対応しますか?
「嘘をつくのは悪いことだよ!」と伝える保育者の方もいると思います。できれば子どもたちには、嘘をつかずに本当のことを話してほしいですよね。
それでは、子どもたちがどうして嘘をつくのかを考えてみましょう。
大人に嫌われたくない・怒られたくない
「○○ちゃん、またおねしょしちゃったの!?おしっこが出たらちゃんと先生に言わなくちゃ分からないよ」
「おしっこ出てないから大丈夫」
「ズボンが濡れてるよ。早く着替えなきゃ・・・」
こんなやり取りに身に覚えがある方はいませんか?子どもは3歳〜4歳くらいになると、嘘をつくことがあります。その背景には、「失敗したことを怒られたくない」「大人に悲しい顔をされるのが嫌だ」「恥ずかしい」という気持ちがあります。特に、排泄に関する失敗を「赤ちゃんみたいで恥ずかしい」と感じる子は多いようです。
そういった場合、決して、大人を困らせようとして嘘をついているわけではないので、嘘をついた理由も考えずに「嘘をついたらいけないよ」と注意することが適切な対応とは言い難いように思います。
それでは、保育者はどんなふうに働きかけたらよいでしょうか。
失敗したことを否定しない
子どもが嘘をついた時、隠そうとした出来事について決して否定的な言葉をかけないようにしましょう。おねしょをしたこと、何かを壊してしまったこと、お友達に怪我をさせてしまったこと……などなど。
失敗は悪いことではなく、失敗をしても良いということを伝えましょう。「誰でも失敗することや間違えちゃうことはあるよ。先生も、おもらしをしちゃったことがあるから」と伝えれば、少しホっとするかもしれません。
保育をする上で「どこで・何が起こったのか」「その後、どうなったのか」を正確に把握することは、とても大切なことです。子どもたちが安心して本当のことを言えるように、日頃から失敗を否定せず何でも言いやすい関係性を作っていくことが大切です。
そして、子どもたちの自尊心を大切にしましょう。
みんなの前で失敗したことを言われたら、大人だって嫌な気持ちになります。保育室ではなく職員室でお話しをしたり、保護者に伝える時も「お母さんに、こういうふうにお話してもいいかな?」と本人に確認してみましょう。
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佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |
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