「ピアノが弾けないけど保育士や幼稚園の先生になれるかな?」と悩んでいる人は少なくないようです。私もピアノがあまり得意ではありません。
しかし、ピアノを上手に弾くことばかりにこだわる必要はありません。楽譜通りでなくても伴奏は成立しますし、ピアノ以外の手法を用いて子どもたちが音楽を楽しめるようにアプローチすることもできます。
ここでは、ピアノが苦手な保育者の方におすすめの練習のコツや、ピアノ以外で音楽表現をするアイデアをお伝えします。
ピアノが苦手な先生必見!苦痛にならない練習のコツは?
まずは定番の曲を片手で練習する
お集まりの歌や給食の歌、お片付けの歌など、まずは定番の歌から練習してみましょう。まずは右手の主旋律だけでOK。正しい音階で最後まで弾き通すことを目標にします。繰り返し歌う曲はリベンジの機会も多いため早く覚えることができ、自信にも繋がるはずです。
音符が少ない楽譜を使う
同じ曲でも楽譜によって難易度が変わります。初心者向けの音符が少ない楽譜もあるので、「園で使ってる楽譜が難しい……」と悩んだときは、書店や楽器店で自分のレベルに合った楽譜を探してみるのがおすすめです。
また、ピアノが得意な人に楽譜を簡単なバージョンに書き換えてもらう方法もあります。左手の和音を減らすだけでも難易度は下がります。
ピアノが途中で止まったら歌でカバーする
ピアノが途中で止まってしまってもそのまま歌い続けましょう。ピアノが止まっても先生の歌声が止まらなければ子どもたちも一緒に歌い続けてくれると思います。その場合、ピアノの音に劣らないくらいの声量を意識するとよいでしょう。
ピアノ以外の表現方法もある
ギターやピアニカなど他の楽器で演奏したり、CDを使って音楽をかけたりすることだってできます。歌が得意な人は、自分の声をピアノの代わりにして子どもたちに歌を教える方法もあります。また、子どもたちと一緒に歌いながら踊ることで盛り上げることが得意な先生もいます。
ピアノという1つの楽器だけにこだわらず、色々な道具や楽器、手法を使って表現を楽しむことで、子どもたちの音楽への興味の幅を広げられるという良さもあります。
ピアノが苦手な場合は、同僚に打ち明けて協力を求めるのも選択肢の一つです。難しい課題曲は得意な先生に任せ、その代わりに自分は違う分野で力を発揮するといったように、保育者同士で得手不得手を補い合って保育を計画したっていいのです。
子どもにとって楽しいことが第一
苦手なことがあると「上達する努力をしなければ」と焦ってしまいがち。しかし「子どもたちにとってどうか」という1点に立ち返れば、完璧な技術よりも大切なことがあるのは明白です。
ピアノが苦手でも、子どもたちが楽しい活動を通して音楽に興味を持てるように働きかけることはできます。保育士自身も心から音楽を楽しむことで、その空気はきっと子どもたちにも伝わるはずです。
(記事公開日 2019年03月07日)
(記事更新日 2024年05月02日)
佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |