子どもたちは「先生、一緒に遊ぼう!」と積極的に保育士を遊びに誘ってくれます。特に引き出しが少ない新人時代、子どもたちから遊びを提案してくれるのは嬉しいことです。
しかし、遊びの中には「え?このルール知らない」ということも。そんな時どう対応すれば良いでしょうか。
その遊び、知らない……!
<事例>
「先生!バナナおにやろう」年中クラスの子どもたちが遊びに誘ってくれました。「バナナおに」という名前は聞いたことがあるけれど、実際に遊ぶのは初めてです。せっかく子どもたちに誘われたのに、ルールが分かりません。このまま遊びに入ったら、子どもたちの遊びを止めてしまうのでは……?
<対応>
遊びのルールややり方が分からなかった時は、正直に「分からないから教えてくれるかな?」と子どもたちにお願いしてみましょう。
「先生」は、何でも知っていて子どもたちに教えていく人とは限りません。「教えて」とお願いされた子どもたちが小さな先生となり、きっといきいきしながら遊びを教えてくれるでしょう。中には「え〜、そんなことも知らないの〜。仕方ないなあ」と、得意気になる子もいるかもしれません(笑)。
子どもたちの解説を真剣に聞き、同じ目線になって遊びに夢中になる先生は、彼らにとって良き遊び仲間となるはず。途中で失敗してしまい遊びを止めてしまったとしても「ごめんごめん、先生初めてだから勉強中なの」と伝えれば良いと思います。
みんなで同じ遊びをする時に、ルールの理解度には差があることや、慣れている人もいれば慣れていない人もいます。子どもたちにとって、そんな時にどう行動するかを経験する良い機会になるでしょう。
<ヒント>
子どもたちから学ぶ姿勢は、保育士として経験を積んでからも忘れないようにしたいです。彼らは大人よりも広い視野と自由なアイデアで、驚くべき発見をしたりユニークな提案をしてくれます。
保育は大人が一方的に子どもに与えるものではなく、子どもたちの姿を土台にして展開していくものです。「それなに?教えて」「どうやってやるの?」と興味を持ち、小さな先生たちの声に耳を傾けてみましょう。
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佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |
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