めぐみ先生の保育コラム

保育実習記録「まとめ」の書き方〜5つのコツ〜

 

保育実習の時には実習記録を作成します。

最後には実習の総まとめとして、実習中に感じたことや反省点を書きますが「あれもこれも」と書き綴り、最終的にまとまらない文章になってしまった……なんてことはありませんか?

 

今回は保育士を目指している方に向けて、保育実習記録の「まとめ」の書き方をお伝えします。

 

⒈言葉を正しく使う

敬語やら抜き言葉など、間違いやすい表現に注意しましょう。

また、話し言葉が混ざっていないか見直すことも大切です。例えば「食べてます」「ちゃんと」は話し言葉です。実習の書類では「食べています」「きちんと」といった書き言葉の表現を使うようにしましょう。

さらに、保育業界には独自の言葉遣いのルールがあります。例えば「子どもにーーさせる」という書き方は、子どもが主体になっていないのでNG。「子どもがーーように働きかける(呼びかける、投げかける)」といった表現が適切です。

 

⒉体験したことが伝わるように具体的なエピソードを交える

「子どもたちがプール遊びで楽しんでくれたので嬉しかったです」だと、子どもたちがどのように楽しんでいたのか、どんなところが良かったのか、自分はどんな働きかけをしたのかが分かりません。

「子どもたちはペットボトルのシャワーで水をかけ合いながら楽しんでいました。紐で取っ手をつけたので持ちやすかったようです。私も一緒にプールの中に入り、ペットボトルのシャワーを使って『お水屋さんごっこ』をしようと提案しました。」

このように子どもや自分の動きを具体的に記すことで、後で読み返してもその時の情景が伝わってきます。

 

⒊できなかったことばかり書かない

保育実習に失敗はつきものです。そのため反省点が多くなり、できなかったことばかり書いてしまいがちです。今後の成長のために自分の反省点を記録するのは大切なことですが「できなかった」「ご迷惑をおかけした」「予想と違った」で終わってしまったら勿体ないと思います。

せっかく反省材料があるのですから「次はこうしたらうまくいくかもしれない」「自分の苦手なことが分かったので、○○を練習しようと思います」など、次に活かすことができる“ポジティブな失敗談”にしたいですね。

 

⒋構成を整理する

読みやすい文章を書く上で大切なことは、構成をしっかりと考えることです。

導入→印象に残ったエピソード→反省点と課題→次の目標

といったように、読む人が分かりやすい構成を考えて書き出すと良いと思います。

1つの段落に複数の話題を詰め込んだり、一文が長すぎると読みづらい文章になってしまいます。第三者が読んだ時に、伝えたいことがしっかりと伝わる文章構成にしましょう。

 

⒌感じたことはストレートに表現する

 

保育記録には自分の感じたことを書き入れてはいけないという考えもありますが、学生時代の保育実習の記録には、ぜひ自分の感じたことを素直に書き入れたほうが良いと思います。実習園の先生に思いが伝わるだけでなく、見返した時に自己理解の材料になるからです。

どんな保育をしてどう思ったが、どんなことで悔しいと思ったか、一番感動したシーンはどんなものか。そこから、自分の保育観を考えるきっかけにもなるはずです。

 

プロになってからも実習記録を読んでみて

保育実習の記録は、実習園や学校に提出するためだけでなく、自分の振り返りをするための材料にもなります。就職して数年後に実習録を読み返すこともあると思います。「あの時はこんなことで悩んでいたけれど、今はできるようになった」と成長を実感すると同時に、初心を思い出すかもしれませんね。

保育実習の記録は自分にとって宝物といってもいいくらいだと思います。

 

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佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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