めぐみ先生の保育コラム

子どもの育ちにつながる走る遊び

運動会のリレーや、サーキット遊び、おにごっこなど、子どもたちが走る姿は保育中にたくさん目にすると思います。

普段は何気なく見ている「走る」動作ですが、体の育ちにも関係しているのです。

今回は、子どもたちの走る動きと、体を育てる走る遊びについてお話します。

 

「走る」って何?走る動作によって育つもの

歩行ができるようになると、子どもたちは自分で移動できることが嬉しくて1人でどんどん遠くに行ってしまいますよね。「1歳半くらいを過ぎたら、追いかけるのが大変!」なんていう声もよく聞きます。しかし、走る動作がしっかりとできるようになるのは、4〜5歳頃といわれているんです。

 

走る動作は、地面を蹴って前に進む動きのことです。さらに、前に進んで終わりではなく、次の一歩を出して地面に着地しなくてはいけません。これにはバランス感覚も必要です。

全身の発達がまだ未熟である場合、この動きが難しいため地面に足全体をつけてしまい、次の足が軽やかに出なかったり、両足がもつれて転びやすかったりします。

 

遊びの中に走る動作を取り入れることによって、全身のバランス感覚の育ちに繋がります。1人ひとりの段階に合わせ、どんな遊びを提案したら良いか考えていきましょう。

 

おすすめの走る遊び5選

走ると言っても、走り方は1つではありません。色々な走り方を経験できる遊びを5つ紹介しましょう。

 

ジグザグよーいどん!

 

カラーコーンなど目印になるものをジグザグに置き、倒さないように走る遊びです。左右に体重を移動しながら走る動きの練習になります。慣れてきたら目印の幅を変えたり、グループ対抗ゲームにしてみましょう。

 

ボール運び競争

 

ボールを持ったゴールを目指して走る遊び。腕を振ることができないため、バランス力が試されます。ルールは簡単なので、異年齢縦割りでグループを作って競争するのもおすすめです。

 

さかさまかけっこ

 

前ではなく後ろ向きに走る遊びです。前に走る時とは違う走り方をします。子ども同士がぶつからないように、コースのラインを引いたりゴールが近くなったら目印を置いたりしましょう。

 

手つなぎ鬼

 

通常の鬼ごっこと同じようにスタートし、タッチされた子は鬼と手を繋いで走ります。これを繰り返し、最後まで逃げ切れた子が勝ちです。友達と手を繋いで走る動きを経験できます。人数が増えるほど難易度はアップします。

 

しっぽ取り

 

ビニールテープや紙テープ、タオルなどをズボンに挟み、尻尾に見立てます。鬼に尻尾を取られた子はリタイア。最後まで逃げ切れたら勝ちです。鬼役の子は走りながら動く尻尾をキャッチする動作を行います。これにも瞬発力とバランス感覚が必要です。ルールは簡単なので、2〜3歳クラスでも取り入れることができます。(その場合、担任が鬼役をすると分かりやすい)

 

走るのが苦手な子もいる

走る動作を取り入れると、遊びの幅が広がります。しかし、子どもたちの中には、走るのが苦手な子や平均よりも足が遅い子もいます。1人ひとりの個性や発達段階を考えた上で、楽しめる遊びを探していくのが良いと思います。

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佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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