食育の一環として、調理の体験を取り入れている保育園は多いのではないでしょうか?
2歳頃までは「ちぎる」や「こねる」といった作業が中心ですが、幼児クラスになると様々な調理器具を使った体験も楽しめるようになります。
その中でも、包丁を使用する時は使い方や注意点をしっかりと教える必要があります。
今回は、子どもに包丁の使い方を教える時のポイントについてお伝えしましょう。
ポイントその1 手本を見せる&約束事を伝える
子どもに包丁を手渡す前に、保育者が手本を見せます。安全な包丁の使い方や材料を押さえる手の形などを子どもたちの前で実践しましょう。
そして、以下のような約束事を伝えます。
・刃は人に向けない(もちろん自分にも向けない)
・包丁を持ったまま歩かない
・使い終わった包丁は決まった場所に寝かせて置く
・よそ見をしながら使わない などなど
約束事は子どもたちと一緒に考える時間を作ってもいいですね。決まった約束事は、絵カードなどにして見えやすい場所に掲示しておくのも良いと思います。
ポイントその2 子どもが使いやすい包丁を使うこと
大人用の大きな包丁を使うのは危険です。市販されている子ども用の包丁を使いましょう。刃の長さは、子どもの握りこぶし二つ分くらいが良いとされています。
また、切れ味の悪い包丁を使うと力が入りすぎて怪我をする恐れがあります。使う前に切れ味を確認することを忘れずに。
ポイントその3 作業台の高さを確認する
作業台が、子どもが背筋を伸ばして作業ができる高さになっているか確認しましょう。前かがみになったり、足がしっかり地面につかない状態で調理をするのは危険です。
家庭のキッチンであれば、安全な踏み台を用意することをおすすめします。
ポイントその4 まな板が動かないように固定する
滑り止めがついているまな板を使うか、濡れた付近をまな板の下に置きましょう。また、作業台が水で濡れていると滑りやすいので事前に拭きましょう。
ポイントその5 手は「ねこの手」
材料を押さえる手は、爪を立てて丸めます。いわゆる「ねこの手」です。パーで押さえたり、中途半端に指が出ていると包丁で切ってしまうかもしれないので、しっかり丸めるようにしましょう。
包丁は危険?
包丁は間違えた使い方をすれば危険です。振り回せば周りの人が怪我をしますし、危険な持ち方で調理をすれば指を切ってしまいます。このようなリスクを懸念し、保育園の調理体験では包丁を使わないという判断をする場合もあると思います。
しかし、「包丁は危ない」と子どもたちに伝えてしまうのはどうでしょうか。包丁は調理の幅を広げるための便利な道具ですし、見守る大人がいる安全な場所で正しい使い方をすれば、包丁は危険ではなくなります。
子どもによって興味の度合いは異なると思いますが、料理や食べ物に興味がある子いれば、ぜひ包丁を体験できる機会を作りたいですね。
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佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |
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