昔から日本で親しまれているお正月遊び。年明けの保育ではぜひ遊びの中に取り入れて、伝統文化に楽しく触れる時間を作りたいですね。
今回は、保育中にできる代表的なお正月遊びの例をご紹介します。
凧揚げ
一つ目は、お正月遊びの定番とも言える「凧揚げ」。戦国時代の日本で、凧は武士たちの通信手段でもあったそうです。スマホが普及する現代だからこそ、凧にまつわるそんな豆知識を子どもたちに披露するのもいいかもしれませんよ。
本格的な和風凧は和紙と竹で作られていますが、保育の中で作るのであれば、スーパーのビニール袋と凧糸、すずらんテープ等で簡単に作ることができる凧がおすすめ。遊ぶ時は電線や木など障害物のない場所を選びましょう。
こま回し
二つ目にご紹介するのは、「こま回し」。こまは世界各地でも遊ばれている玩具です。日本では奈良時代の頃から占いの道具や貴族の娯楽として使われていた歴史があります。「ベーゴマ」「地球ごま」「投げごま」など様々な種類のこまがあるので、子どもたちと一緒にぜひ調べてみてくださいね。
こまは牛乳パックや粘土、紙皿など身近な道具を利用して製作することができます。回し方に慣れてきたら、友達同士で競ってみるのも面白いです。
福笑い
「福笑い」は、おかめやおたふくの輪郭を描いた紙の上に、目、口、鼻などの部品を散らし、目隠しをしながら顔を作っていく遊び。完成したユニークな顔を見て、一同が笑顔になれるお正月に相応しい遊びです。
福笑いは画用紙だけで簡単に作ることができますが、模造紙を使った大型福笑いや、マグネット福笑い、似顔絵福笑いなどアレンジに幅を利かせることもできます。
羽根つき
羽子板で小さな玉のついた羽根をついて、バドミントンのように遊ぶ「羽根つき」遊び。江戸時代には女の子が生まれた家に縁起物として羽子板が贈られたそうです。また、病気の原因となる蚊を退治してくれるのがトンボだったことから「羽根」をトンボに見立てて羽根つき遊びをすることで、女の子の無病息災を願うという意味もあったのだとか。
牛乳パックや割り箸、段ボール等を使えば手軽に羽子板を作ることができます。アルミホイルを丸めて、折り紙やお花紙で飾りをつけたら羽根の完成。大きめの羽子板と風船を使えば乳児クラスでも遊びやすくなりますよ。
すごろく(双六)
すごろくには将棋やチェスのように盤の上にコマを置いて二人で遊ぶ「盤双六(ばんすごろく)」と、一枚の紙の上に描かれた絵にコマを置いて進めていく「絵双六(えすごろく)」という二種類があります。子どもの遊びで一般的によく知られているのは「絵双六」のほうではないでしょうか。
最初は保育者が絵双六を作り、子どもたちと一緒に遊びながらルールを伝えていきましょう。遊びに慣れてくると、子どもたちから「作りたい!」という声が上がるかもしれません。身近な材料を使って、ぜひすごろく遊びを楽しんでみてください。
お正月遊びは大人も楽しめる
日本の伝統的な遊びは、私たち大人も「あれ?どんなルールだったけ?」と忘れてしまうことがあります。そんな時は、子どもたちと一緒にルールを調べるところから始めてみるのもいいかもしれませんね。
子どもたちの持つ自由なアイデアを活かして、オリジナルの遊びに発展させいくこともできるはず。ルールに捉われず、遊びが広がっていくこともぜひ楽しんでくださいね。
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佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |
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