めぐみ先生の保育コラム

児童虐待の早期発見と適切な対応

虐待は子どもの心身に重大な影響を与えます。保育所は虐待の早期発見と関連施設への通告義務があり、保育士は子どもの最善の利益を守るための視点を常に持たなくてはいけません。

今回は、虐待が疑われる時の兆候と、虐待を発見した時の適切な対応についてお伝えします。

 

こんなサインを見逃さないで

<子ども自身>

・子どもが降園を渋り、保護者に会いたがらない

・体に痣や傷があり、家庭から情報共有がない

・年齢に見合わない性的な興味がある

・抱っこしたり、着替えを手伝ったりすると嫌がる

・年齢に見合わない乱暴な言葉遣いをする

・年下の子に乱暴な行動をする 

・登園時の服が異様に汚れている 等

 

<保護者>

・子どもに乱暴な言葉を使ったり、暴力を振るう様子が見られる

・子どもに関する情報を保育園と共有しない

・子どもに予防接種や医療行為を受けさせない

・子どもの言動に無関心

・子どもの前で不適切な話を躊躇いなくする 等

 

虐待を発見した時の対応

もしも虐待の可能性を感じたら、一人で判断して行動する前に施設長や上司に報告、相談をしましょう。上長が緊急性を判断し、市町村や児童相談所へ連絡を行うか経過観察を続けていきます。

 

経過観察をしていく場合も、園全体で情報共有を行いましょう。保護者と信頼関係を築き、できるかぎり丁寧に話を聞き取っていきます。育児や夫婦間の不安など、人には言いづらい悩みを聞く場合は個室または他の保護者に聞かれない場所を用意し、落ち着いて話しを聞きます。保護者の行いや考え方を安易に否定したり、「虐待」という言葉を使うのは避けましょう。

 

必要に応じて、看護師や医師、カウンセラーとも連携を取り、どんなサポートが必要か考えていくことも大切です。

 

 

早期発見のためには

虐待を早期の段階で発見するためには、日頃から子どもと保護者と丁寧に関わり、観察していくことが必要不可欠です。登園・降園時には必ず保護者に声掛けをし、信頼関係を築いていくことも大切です。

子どもたちと毎日かかわる保育士だからこそ、異変があればすぐに気づけるように意識したいですね。

 

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佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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