保育所保育指針には、保育園で生活しているすべての子どもたちが日々の遊びや生活を通じて育ち合うことや、それが障害の有無に関わらず行われるべきであるということが記されています。
障害児が健常児と変わらず自己を発揮してのびのびと成長するためには、どのようなことに留意したら良いか、3つのポイントにまとめてみました。
保育現場における配慮
必要に応じて個別に指導計画を作成し、一人ひとりに応じた援助を通して自発的な活動に繋げていくことが大切です。また、保育士だけでなく、看護師や嘱託医、管理栄養士とも連携を図り、共通理解を持ち長期的な見通しを持って保育を行っていきましょう。職員会議におけるこまめな情報共有をはじめ、職員同士の連絡ノートの作成など園内でどんなことができるか(すべきか)を話し合う機会があるといいですね。
家庭や地域との繋がり
障害児保育をする上で保護者や家庭との連携は欠かせません。保育園・家庭での様子をお互いに伝え合い、その子に対する理解を深めていきましょう。また、保護者が育児に不安を感じている場合は気持ちに寄り添い適切な支援を行うことが保育士の役割です。
さらに、地域の子育て支援センターや児童相談所などの専門家とも連携を図り、アドバイスをもらうことでより良い援助に繋がります。
「担任だけ」「園内だけ」で考えるのではなく、外側にも目を向けて手を繋いでいくことが大切なのです。
小学校との連携
小学校への接続は単なる書面での情報共有だけでなく、その子の内面に寄り添った支援方法や、その「思い」を引き継いでいくことも大切だと思います。小学校と保育園(幼稚園)が連携し、入学前支援プログラム等を実施している自治体もあります。子どもと保護者が小学校入学に対するイメージを持てるよう、就学直前でなく早期から支援方法を考えて取り組んでいくことが大切です。
障害児保育に関する知識とスキルを身につけよう
近年、保育園には様々な子どもが入園してきます。一人ひとりがその子らしく輝けるように多様性を理解した上で、適切な保育を考えていくことが求められています。障害児保育に関する研修や外部の勉強会などに積極的に参加し、知識とスキルを増やしていきたいですね。
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佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |
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