めぐみ先生の保育コラム

夜泣きの悩みに寄り添う

乳児は生後6ヶ月頃になると夜泣きをすることがあります。保護者から「最近、夜泣きがひどくて……」と相談されることは、この時期は珍しいことではありません。保育士は家庭で起こる夜泣きの悩みとどのように向き合い、保護者に寄り添ったら良いでしょうか。

 

夜泣きの原因は?

夜泣きの原因には色々な説があり、はっきりとした原因はいまだに解明されていません。説のひとつは、記憶力がついて昼間の出来事を夢に見ているというもの。起きている時の刺激が睡眠に影響しているという考え方です。

 

この他にも、体調不良や環境の変化によって夜泣きが引き起こされる可能性もあるということです。赤ちゃんの夜泣きの原因に関しては、一つの根拠だけに着目するのではなく幅広い視野を持って様々な可能性を考えていくのが良いと思います。

 

夜泣きはいつまで続くの?

保護者からの相談で多いのが「夜泣きはいつまで続くのでしょうか」という内容です。毎晩夜泣きをする我が子に寄り添い、次の日も朝から仕事へ行かなくてはいけない保護者にとって、夜泣きはできるだけ早く終わってほしいもの。いくら成長の通過点とはいえ、心身ともに疲れてしまいます。

 

夜泣きのピークには個人差がありますが、だいたい生後6ヶ月から10ヶ月といわれています。生後4ヶ月頃になってようやくまとめて眠るようになってきたのに、すぐに夜泣きが始まってしまい「どうして……」と落胆する保護者も少なくありません。

 

また、保護者が妊娠したり、長期間保育園を休んでいたことによって落ち着いていた夜泣きが再開するケースもあります。

 

保育士ができるアドバイス

 

夜泣きを確実に止める方法はありません。ただし、夜泣きはずっと続くものではなく、「感受性が豊かな子に起こりやすい」という説もあります。そういったポジティブな話を交えながら、保護者の悩みをありのままに受け止めることが大切ではないかと思います。

 

また、確実な対策がないからといって、何もしないわけにはいきません。おしゃぶりやおっぱいを与えたり、水の流れる音を聞かせたり、ベビーオイルでマッサージをしたり、色々な方法があることを保護者に伝えてみましょう。海外では布やバスタオルで赤ちゃんをくるんで抱っこすると落ち着くという説もあるようです。

 

そして、たしかなエビデンスのない情報を保護者に伝える時には注意が必要です。「これは絶対に効果があるのでやってみてください」と言うのではなく「こんな方法が本で紹介されていましたよ」と複数の方法を提示して、保護者が自分で選択できるように促してみるのが良いかと思います。

 

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佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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