保育実習では、実習生が実際に保育の導入をしたり活動を展開したりすることがあります。担任と同じように一日の活動のほぼすべてにおいてリーダーの役割を務めることを「責任実習」、一部分だけ(手遊び、読み聞かせ、製作だけなど)担当することを「部分実習」といいます。
今回は実習生のよくある悩みをもとに、部分実習と責任実習のポイントについてお伝えします。
絵本や紙芝居は下読みが大事
読み聞かせに使う絵本や紙芝居が決まったら、知っている物語だとしても必ず下読みをしましょう。事前に読んでおくことで抑揚のつけ方や間の取り方を工夫することができるし、本番の緊張を和らげることができます。
ピアノが苦手だったら自己流に簡単アレンジもあり
ピアノが苦手な人にとって、子どもたちの様子を見ながら伴奏するのは至難の技。上手に弾くことを目標とせず、子どもたちが最後まで楽しく歌えることを第一に考えて伴奏してみましょう。右手のメロディーだけ弾いたり、楽譜より少し簡単にアレンジして弾きやすくしたりするのもおすすめです。
その教材は子どもの興味に合ってる?担任と事前打ち合わせを
外国の料理がたくさん登場するパネルシアターを演じたところ、子どもたちがキョトンとしてしまった……という体験談をある実習生の方から聞きました。
子どもたちは外国の料理以前に、外国についてまだよく知らなかったようです。このように実習中は、想定通りいかない経験から学ぶことが多いです。しかし、選んだ教材がクラスの子どもたちの興味関心に即したものであるか、年齢に合っているかなど、事前に担任の先生と打ち合わせをしておくこともポイントです。
楽しさだけではなく安全への配慮も忘れずに
乳児クラスの部分実習でビーズの入ったマラカスを使ったところ、途中で中身が飛び出してしまい危うく誤飲事故に……というヒヤリハットな体験談も。使う教材が安全であるか、子どもたちが無理なく安全に遊べる活動内容であるかなど、細部まで考えて計画することも大切です。
佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |