めぐみ先生の保育コラム

誤飲事故を防ぐために

赤ちゃんは手で触れたものを舐めたり口の中に入れたりして、その感触を確かめています。この行動は発達において自然なことですが、場合によっては誤飲事故に繋がるため注意が必要です。保育現場で誤飲事故を防ぐにはどうしたら良いでしょうか。

 

トイレットペーパーの芯をくぐるものは誤飲のおそれがある

飴玉や薬、電池、ビーズなど、トイレットペーパーの芯(直径およそ4cmほど)をくぐるものであれば赤ちゃんが飲み込む危険があります。特に丸いものは喉に詰まりやすく窒息事故を引き起こしやすいと言われています。

 

0歳児クラスの保育環境を見渡してみましょう。子どもたちの手の届く場所にトイレットペーパーの芯をくぐるものは落ちていないでしょうか?創作活動で使用する糊の蓋や、手作りおもちゃのパーツなども要注意です。

 

また、食事ではミニトマトやぶどうなども小さく切って出すことで誤飲を防ぐことができます。調理担当の職員と連携し、食べる前には必ず担任が食材の大きさを確認するようにしましょう。

 

窒息した場合の対処方法

顔面蒼白になったり声を出せず苦しそうにしている場合は窒息の可能性があります。幼児クラスの子であれば喉に手を当てるポーズをすることもあります。

 

その場合はすぐに救急車を呼び、救急隊が駆け付けるまでに応急手当てを行う必要があります。誤飲した異物を取り除く応急手当ては、「腹部突き上げ法」と「背部叩打法(はいぶこうだほう)」があります。腹部突き上げ法は乳児には行うことができないため、背部叩打法を試みます。

 

詳しいやり方は日本医師会のページ(https://www.med.or.jp/99/kido.html)などでも紹介されているので、ぜひ確認してみてください。

 

吐かせてはいけないもの

以下のものは、誤飲をしても吐かせてはいけません。気道や食道など体内を傷つけるおそれがあるからです。

 

・灯油、ガソリン

・トイレの洗剤

・塩素系漂白剤

・マニキュアと除光液

・殺虫剤

・ボタン電池

・先の尖ったもの

 

誤飲事故が起こらないために予防することが一番大切ですが、万が一起こってしまった時には落ち着いて対応できるように、正しい対処方法を定期的に確認しておくことをおすすめします。

 

佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

-めぐみ先生の保育コラム