2歳前後になると、スプーンやフォークを持って一人で食事ができるようになってきます。そして3歳が近づくと、お箸にも興味を持ち始めます。保育者は本人の意欲を見守りながら、少しずつ練習をしていきましょう。ここではお箸の練習のポイントをお伝えします。
本人の意欲を大切にしながらチャレンジする
お箸を最初から上手に使える子はいません。いきなり大人と同じように綺麗な持ち方ができるようにと、焦って練習しないようにしましょう。本人の興味がないのに練習を強要すると、意欲を削ぐ原因になります。
また、お箸の練習が思うように進まないと、赤ちゃんのように手掴み食べをする姿が見られることも。その場合も叱ったりせず、「食べたい」という気持ちを大切にしましょう。
お箸の練習のコツ
・子ども用の短めの箸を使う
子ども用の箸は大人用のものに比べると、短くて角がしっかりしており、軽量です。練習には子ども専用の箸を使いましょう。
・まずはスプーンやフォークの鉛筆持ちから
箸を使う前に、スプーンやフォークの持ち方を観察してみましょう。親指と中指、人差し指の3本でしっかりと握れるようになっていることが、お箸を使い始めるタイミングの目安になります。
・紙飛行機を使って練習
お箸の練習には紙飛行機が役立ちます。紙飛行機の胴体を親指と人差し指で持ち、中指を添える動作はお箸を持つ時と同じ。遊びながら練習してみてください。
・器の形もポイント
お箸だけでなく器の形も大切です。食べ物を食器のふちに押し付けて掴めるように、底とふちが直角に近い器がおすすめです。ボウルのような形状の器は練習し始めの子には難しいかもしれません。
お箸は子どもにとっても憧れ
お箸が使えるようになると、子ども自身も「お兄さん・お姉さんになったんだ」と自信を持つことができます。挑戦したい気持ちや、最初はなかなか思い通りに進まない気持ちに丁寧に寄り添い、本人の意欲が高まる言葉掛けをしながら練習を進めていきましょう。
佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |