日常の保育に加え、記録作成や行事の準備など保育者の仕事は多岐に渡ります。近年は保育者の業務負担を減らしたり、残業や持ち帰り仕事がゼロになるように努力する園も増えてきました。現場ではどのような工夫をしているのでしょうか?
また、業務負担を減らすだけでなく保育の質を高めていくにはどうしたら良いのでしょうか。
ICTを導入して事務仕事を効率化
パソコンやタブレットなどを使って日誌や計画を作成することで、手書きで書類作成をするよりも短時間で作業を終えることができます。また、過去のデータをすぐに確認できたり、職員間ですぐに情報共有ができたりとメリットは多く、ICTを積極的に活用する園は増えているようです。
隙間時間を見つけて交代で作業
クラスが落ち着いている時間に保育者同士が連携し、交代で事務作業や行事の準備を行います。子どもたちの降園を待ってから作業をすると定時を超えてしまうことが多いため、日中の隙間時間を有効活用しながら作業をしています。
会議や研修以外でも職員同士の対話を
日々の保育の疑問やトラブルに関する相談は、できるだけ早めに。会議や研修の時にまとめて聞くのではなく、業務の合間に職員同士が対話をすることを推奨している園もあります。本を読んだり研修を受けて学ぶことも大切ですが、「さっき●●くんが…」とリアルタイムで職員同士が対話を重ねることで保育の質が高まると言われています。
「子どものため」につながる
紹介したような手法は、保育者の負担を軽減したりスキルアップに繋がるだけでなく、結果として目の前の子どもたちのためになります。保育者が余裕を持って保育に臨み、ゆったりと子どもと関わることができるからです。
手書きの書類作成や残業が当たり前だった保育の世界が少しずつ変わり始めているようですね。
佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |