保育の中で絵本が登場するのはどんな時だと思いますか?午睡の前の気持ちの切り替え、活動の導入、季節の行事について子どもたちに伝えたい時など、さまざまな場面で絵本は活躍します。また、友達と一緒に絵本のストーリーを共有したり、そこからふれあい遊びが始まったりなど絵本はコミュニケーションを生むツールでもあります。
今回は現役保育士の方たちから聞いた、ちょっとユニークな絵本保育のアイデアをご紹介します。ぜひ明日からの保育のヒントにしてください。
オフシーズンのプールを読み聞かせひろばに
「大きなプールを夏以外も活用できないかと模索し、からっぽのプールの中に椅子を並べて遊べる環境を整えてみました。最初はそこで子どもたちがごっこ遊びをして楽しんでいたのですが、読み聞かせをしてみたところ映画館のようなちょっと特別な雰囲気に。“プールおはなし会”はすぐにみんなのお気に入りになりました。今度は保護者も招いて親子読み聞かせ会を開催する予定です」(保育園長Fさん)
散歩先で自然にまつわる絵本を読み聞かせ
「お散歩に行く時に自然に関連した絵本を何冊か持っていくようにしています。春はつくし探しをしながら『14ひきのぴくにっく』を読んだり、雪が降った日は『ゆきのひ』を読みました。保育室の中での読み聞かせも楽しいのですが、自然の中で読むことで情景を想像しやすくなったり、子どもたちの言葉をたくさん引き出すことができるんです」(年長担任保育士Kさん)
絵本がテーマのお泊まり保育
「私が勤めている園では絵本がテーマのお泊まり保育を行っています。特に印象的だったのは『きんぎょがにげた』をテーマにした年です。絵本の内容をもとにみんなできんぎょ探しゲームをしたり、絵本の世界をテーマにした特別な装飾をしたり、私たち保育士自身も楽しめたし、なにより子どもたちが喜んでいたのが嬉しかったです」
ワクワクする絵本保育を
アイデア次第で一冊の絵本から色々な活動ができそうですね。いつものようにお部屋で集まって座って読むだけが読み聞かせのルールではありません。子どもも先生もワクワクするような絵本保育をぜひ考えてみてくださいね。
佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |