トイレの練習を始めたものの、まだおもらしをしてしまう、そんな移行段階で使用するのがトイレトレーニング専用の「トレーニングパンツ」です。
今回は、トレーニングパンツの特徴や保育者の援助の仕方についてお伝えします。
トレーニングパンツの特徴
トレーニングパンツは大きく分けて布製と紙製の2種類があります。
洗濯して何度でも使用できる布製のパンツは通常のパンツと見た目もそれほど変わりません。特徴は股の部分が厚めに作られておしっこを吸収しやすくなっていることです。吸水部分の厚みにも種類があるため、外出先では厚手の3層、家庭や保育園では薄手の6層といったように使い分けることができます。
一方で紙製のトレーニングパンツは、使い捨てのため洗濯をする手間がかからず処理が楽であることがメリットです。紙おむつとの違いは濡れた感触が分かりやすい作りになっていること。紙おむつは排泄後も不快感が少ない作りになっていますが、紙トレーニングパンツは子ども自身が濡れた感触を自覚できるように作られているのです。
布製・紙製それぞれに特徴があり、併用しながらトレーニングを進めている子も多く、トレーニングの進み具合によってパンツの種類を使い分けることもできます。
子どもたちに興味を持ってもらうには?保育者の援助の仕方
子どもたちがトイレやパンツに興味を持つ姿は、トイレトレーニングスタートのサインのひとつです。年上のお友達を見て「お姉さん(お兄さん)パンツを穿きたい」と言う子もいるかもしれませんね。
トレーニングを早く進めたいからと言って、子どもの様子を見ずにいきなりトレーニングパンツの着用を促すと、排泄すること自体にマイナスのイメージを持ってしまうかもしれません。トイレやパンツに自然と興味を持てるように、遊びの中でパンツについて教えていけると良いですね。
例えば、「しろくまのパンツ」(作: tupera tupera 出版社: ブロンズ新社)や「パンツのはきかた」(著:岸田今日子 絵:佐野洋子 出版社:福音館書店)といった、ユニークな絵本を介してパンツを身近に感じてもらったり、「おにのパンツ」の歌に合わせてダンスをしたりするのもおすすめです。
また、布製のトレーニングパンツはデザインも豊富で、好きなキャラクターや動物、のりものなどがプリントされているパンツを使う子も多いと思います。「パンツ穿けるかな?ライオンさんと一緒に先生も応援してるよ」といったように、子どもたちのやる気が出る声掛けをしてみてはいかがでしょう。
濡れてもいい。「ビショビショ」の不快感が大切
子どもがおもらしをするとその後の処理の大変さを思い、マイナスの言葉掛けや表情をしてしまいがちです。しかし子どもたちは敏感に大人の感情を読み取るので注意しなくてはいけません。
おもらしをしてパンツが濡れてしまうのは、トイレトレーニングにおいてとても大切なこと。不快感を感じるステップがなければパンツへ移行することはできません。
子どもがおもらしをしてしまったら、「パンツ濡れちゃったかな?びしょびしょになって冷たいね、着替えようね」といったように優しく声を掛け、気持ちを代弁したり共感したりしながら寄り添っていくことが大切です。
佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |