めぐみ先生の保育コラム

現役保育士に聞いた子どもたちの可愛いエピソード【4歳児編】

言葉のやりとりが上手になり、自分の気持ちを伝えたりおうちでの出来事を報告してくれたりする姿が見られる4歳の子どもたち。好奇心が強く興味が広がっていく時期なので、子どもたちの視点に驚かされることもよくあります。そんな4歳児たちのエピソードを現役保育士の皆さんに聞いてみました。

 

心の成長を感じた出来事

「可愛いエピソードというよりホロリとしたエピソードです。給食のおかわりジャンケンで負けてしまい泣いていたF君。F君の様子を見ていたRちゃんは、自分の給食のみかんを半分こして『食べていいよ』と言ってくれたんです。しかしF君は『そんなのいらない!』と突っぱねてしまいました。きっと負けたことが悲しくて、まだ気持ちの整理ができなかったのだと思います。一方Rちゃんはせっかくの親切心を拒まれてしまったにも関わらず『悔しかったんだよねえ』とF君の手を握っていました。自分も悲しい思いをしたのに、お友達を思いやることのできるRちゃんの姿に感動しました」(保育士Nさんの経験談)

 

先生がお休みの日

「先日、1日お休みをいただくことがありました。その日の様子を副担任の先生から教えてもらったのですが、なんといつもより頑張っている子どもたちの姿が見られたそうです。私は毎日夕方に花瓶の水を換えているのですが、その様子を見ていた子どもたちが水換えを率先してやってくれたり、午睡の時間は先生に促されなくても自分で布団に入ったり。え!本当はそんなにできるの!?ってびっくりしちゃいました(笑)。こっそり様子を覗いてみたかったです」(保育士Kさんの経験談)

 

いもほり遠足で

「秋になるといもほり遠足に行くのですが、子どもたちのユニークな発想に感動しました。おいものツルを『大きなかぶ』に見立てて、うんとこしょ・どっこいしょ!と声を出し始めたG君。その様子を見た他の子が次から次へと列になり、まるで物語のワンシーンのようにみんなで引っ張り始めたのです。その時の様子を撮影し保護者にお見せしたところ、とても可愛い写真だからぜひ学年末のアルバムの表紙にしてほしいと頼まれました。私の保育経験の中でも特に思い出深い出来事です」(保育士Aさんの経験談)

 

調べてみると……

「最近しりとりを覚えた子どもたち。“ん”が最後にきたら終わりなんだよ、んがつく言葉はないんだよ、と教えたところ、『なんで?あるよ、んまい!』とMちゃん。たしかに『美味い』を『んまい』と発音する人もいますよね。それがきっかけとなり、みんなで『ん』がつく言葉を探すことにしました。私も気になってインターネットで調べてみたのですが、方言や海外の言葉まで視野を広げると、んがつく言葉ってたくさんあるんですね。自分が当たり前だと思っていたことは、当たり前じゃないのだと感じました。子どもたちから学んだ大切なことです」(保育士Iさんの経験談)

 

子どもたちから教わること

 

保育をしていると子どもたちから教わることがたくさんありますよね。子どもたちの自由な発想や無限の好奇心に触れると、私たち大人もワクワクします。ぜひそんな大切な瞬間を記録に残し、忘れないようにしておきたいものです。

 

佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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