めぐみ先生の保育コラム

保育の仕事にオンラインを活用した事例

新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、保育業界では業務方法の見直しがされています。登園自粛中に保育の動画配信を行ったり、ビデオチャットを活用して職員会議や研修をしたり、今まで以上にオンラインを活用している現場が多いようです。

今回は、そんな新しい時代の保育の仕方について紹介します。

手遊びや歌など保育者ならではの動画配信

家庭で過ごしている子どもたちに向けて、手遊びや歌などを動画で配信する園が増えています。ステイホームで運動不足になりがちのため、体を動かす遊びや親子で行える体操など、保育者が実践している映像を動画サイトにアップします。動画の良いところは、何度も繰り返し見ることができる点だと喜ぶ保護者の声もありました。

中には運動会で踊る親子体操のお手本なども動画サイトにアップし、家で練習できるようにした園も。今までにはないユニークな取り組みですね。

職員会議は集まらずにオンラインで

これまでは職員室に複数の職員が集まって会議を行うスタイルが主流でした。しかし、感染拡大予防の観点から、クラスごとに設置されたタブレット端末から「オンライン会議」を行うスタイルになったという園もあるようです。

また、口頭で行なっていた職員間の「報・連・相」もアプリなどを活用することで正確かつ手短かに行うことができるようになりました。

対面のコミュニケーションが必要な場面はもちろんありますが、オンラインのツールをうまく併用していくことで、スムーズで安全な業務が可能になります。

オンライン研修会で学びの幅が広がった

研修をオンラインで行うことにより、在宅勤務をしながら保育の勉強をすることができたり、遠方に住んでいる人を講師として招くことができたり、学びの幅が広がったという声がありました。

また、会場のキャパシティを気にする必要がないため全社員が一度に同じ研修を受けられるというメリットもあります。

コロナ禍によって生まれた新たな取り組みをプラスに捉えよう

紹介したようなオンラインを活用した新たな取り組みは、保育業界で今後も必要とされることが期待されています。

一方で「オンラインを介したコミュニケーションでは本当に大切なことが伝わらないのでは?」という懸念が生まれるのも当然かと思います。

 

オンラインを使った取り組みはあくまでも「一つの手段」であり、対面のコミュニケーションが保育において必要なくなることはありません。オンラインの導入によって仕事の仕方の選択肢が広がったとポジティブに捉え、従来のやり方も大切にしながら子どもたちや働く人にとってより良い環境を構築できたらいいですね。

 

佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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