「大きくなったかな?」と自分の身長や体重に興味を持つ子どもたち。身体測定は子どもたちにとっても楽しみな経験かもしれません。しかし、中には測定を嫌がる子も。
ここでは、身体測定のねらいやスムーズに進行するためのヒントについて現場の先生たちのエピソードをもとにお伝えします。
身体測定は何のためにやるの?
身体測定は、子どもたち自身が自分の成長に興味を持ったり喜びを感じたりする良い機会。そして、保育者が一人ひとりの発育の状態を把握するためにも必要です。
また、集団生活の中で順番を守ったり列に並ぶ練習をする機会にもなり、お友達が測定している様子を見ながら、他の子の成長にも興味を持つようになります。
身体測定に関連づけて「大きくなるためにはどうしたら良いかな?」と子どもたちと話し合ってみるのも良いですね。
身体測定、ここが難しい!現場のエピソードを紹介
- 服や靴下を脱いで身長、体重を測定するのを嫌がる子がいる。最後には「もう服を着たままでもいいから……」と言ってしまった。
- 身長を測るときに膝を曲げてしまい、正確に測定できず困った。まっすぐ立ってね!と言葉で伝えてみるも、できる子とできない子がいて……。
- 午前と午後で身長が違う。同じ時間に測定したほうが良いことに気づいた。
- 乳児クラスの身体測定は難しい。体重計に乗せると泣いてしまう子も多い。
- 初めての体重測定が怖かったのか「先生、抱っこして」という子がいた。
身体測定をスムーズに行うには?各園の事例を紹介
- 年長児の身体測定の様子を年下のクラスの子どもたちに見てもらいました。服をたたんだり、並んだり、「さすが年長さん!」という姿に、年下の子どもたちも真剣な眼差しを送っていました。
- 子どもたちが自分の成長に期待感を持てる声掛けを目指しています。「●●ちゃんはマラソン頑張ったから大きくなったかな?」とか「にんじん食べられるようになったから体重が大きくなったね」など、普段のその子の姿を認めるように意識しています。子どもたちも自分が成長したことに対して喜びを感じているようです。
- 身体測定がいつも難航しがちな1歳児クラス。しかし、体重計の電子音が鳴る設定にしたところ「ピッ」という音が面白かったらしく、楽しんで体重計に乗る姿が見られました。このような小さなきっかけで、子どもたちが楽しい気持ちで測定に臨めるんだと勉強になりました。
- 当園では測定日を決めていません。保育室の端にいつも体重計と身長計を設置して、子どもたちが好きなときに測れるようにしています。緊張することなく自然に測定が進んでいます。
まとめ
園ごとに色々な身体測定のやり方があるようです。子どもたちの成長は、保育者にとっても嬉しいものです。年度末に1年間の記録を見て「こんなに大きくなったんだ」と感動する人もいるでしょう。
ぜひ、子どもたちの姿に合わせてベストな方法を探してみてください。
佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |