めぐみ先生の保育コラム

コロナ禍の行事。保育現場ではどう工夫した?

新型コロナウイルスが流行し、全国の保育現場では発表会や運動会、卒園式などの季節行事を通常のように開催できない状況が続いています。

感染拡大が懸念される中、保育現場ではどのような工夫をしているのでしょうか?現場で働く先生たちの声を集めてみました。

 

保護者の参加は各家庭2名まで。後日、動画を配信

「運動会や発表会では毎年たくさんの保護者が観覧してくださいますが、コロナが流行してからは各家庭2名までと人数制限をしています。ご親族も一緒に観覧したいという要望もあったのですが、感染予防のためにはお断りするしかありませんでした。観覧できない方に向けて、行事の様子を撮影して会員制の動画配信を行いました」(埼玉県 認可保育園 A先生)

 

乳児クラスと幼児クラスで2日間に分け、「密」を避ける

「お芋掘りや七夕会などのイベントを乳児クラスと幼児クラスで2日間に分けて行うようにし、園児が密集しないように配慮しました。全園児で集まることができないため例年よりも少し寂しい雰囲気になるのでは?と心配しましたが、クラスごとにじっくりと時間をかけてイベントに臨み、私たち保育士も1人ひとりに丁寧に向き合えたと思います」(東京都 認可保育園 C先生)

 

歌や踊りは中止の発表会。クラスごとに撮影した映像を配信

「発表会では歌や踊り、劇をクラスごとに発表するのが恒例なのですが、コロナが流行したことにより大人数が集まって練習をしたりステージの上に集まるのが難しくなりました。そこで、各保育室で子どもたちが歌や踊りを楽しむ日常風景を撮影し、映像に残しました。普段から利用しているアプリを活用してその映像を配信したことで、おうちの方や親戚の方にみんなの姿を見てもらうことができました」(千葉県 認定こども園 K先生)

 

運動会の声援が無い代わりに、手作りマラカスで応援

「運動会で声を出して応援しない代わりに、親子でつくった手作りマラカスを保護者の方たちに振っていただき声援の代わりにしました。マラカスの音で賑やかな運動会になりました」(千葉県 認可保育園 D先生)

 

卒園式は屋外で開催

「感染予防対策として、卒園式は園庭で開催することになりました。寒い季節なのでヒーターを設置し、ひざ掛け等も持参していただくようにしました。雨天の場合は屋根付きのテラスで行う予定でしたが当日は晴天。桜の花が舞い散る中、感動的な卒園式となりました」(静岡県 私立幼稚園 H先生)

 

コロナ禍の経験が今後の糧に

新型コロナウイルスの感染拡大や緊急事態の発令など例年とは違う状況が続くなか、保育現場ではさまざまな工夫がされているようです。例年通り行事を開催できないことに対する不安や葛藤、悔しさなどもあるかと思いますが、そのような状況下でも子どもたちや保護者の方たちに配慮し、ベストを尽くしている先生たち。コロナ禍で工夫した実績は今後の保育の糧となるに違いありません。

 

佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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