卒園が近づく子どもたち。「もすうぐ小学生だね」「ランドセルは何色?」「学校まで歩いてみた?」なんていう会話も聞こえてくるのではないでしょうか。
中には「入学までに●●をしなくてはいけない!」と焦ってしまう保護者の方、そして保育者もいるかもしれません。子どもたちが笑顔で入学を迎えるために、どのようにサポートしたら良いか考えていきましょう。
「●●できるようにしなきゃ」という焦りはほどほどに…
自分の名前のひらがなを読めるようにすること、着替えを一人で手早く済ませること、45分間は椅子に座って集中することなど、入学までに●●をできるようにならなくてはいけない、と思って焦ってしまう保護者や保育者がいます。大人の焦りは必ず子ども自身にも伝わります。なるべくおおらかに見守り、子どもたちが入学まで楽しい気持ちで過ごせるように配慮したいですね。
実際に小学校の先生に話を聞いてみると、「発達に凸凹があるのは当たり前。読み書きができなくても、集中して座れなくても、それが当たり前だと思って受け入れます」とのこと。入学前に頑張りすぎてしまうことで、学校に苦手意識を持ったまま入学を迎える子もいます。
「遊びを充実させて学びにつなげていく」という保育の在り方を卒園まで大切にし、小学校でのアクティブラーニングにつなげていきましょう。
卒園してもいつでも戻ってくることができる居場所づくり
もう一つ大切なことは、子どもたちが卒園してもいつでも戻ってくることができる体制や環境を整えることです。園によっては学校がお休みの日に卒園児の受け入れを行ったり、小学生を対象とした園庭開放日をつくっているケースもあります。
また、こういった取り組みは子どもたちにとって安心できる居場所をつくる効果もある一方で、保護者にとってもプラスになっているようです。「久しぶりに先生に会えてホッとした!話を聞いてほしかった!」という保護者の声も。親子がいつでも遊びに来ることができる子育ての拠点になれたら素敵ですね。
佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |