コットベッド(通称コット)は多くの保育園で使用されている寝具です。
ここでは、コットの特徴や起こりうる事故について、そして安全に使用する際のポイントについて解説します。
コットとはどんな寝具?
コットとはポリエステル製の布が張られた簡易ベッドのことです。布はメッシュ素材になっていて通気性がよく、熱や湿気がこもらないことが特徴です。しっかりした造りでありながら移動や収納がラクで、床に直接触れないため暑さ・寒さを感じにくく快適に眠れるというメリットがあります。また、ダニやほこりの影響を受けにくく水拭きがしやすいため布団と比較すると衛生的です。
寝汗やよだれがついたり、おねしょをしてしまっても衛生的に使用できるように、多くの園ではコットの上に専用のカバーやシーツを取り付けています。また、自分のカバーがついていることで「ここは自分の寝る場所」と子ども自身が認識することができます。
誤った使い方で事故の可能性も
コットは便利な寝具ですが、誤った使用方法で事故に繋がるおそれもあります。
たとえば、子どもたちがコットの上を歩いたりジャンプしたりして転倒してしまったり、並べてあるコットに躓いて怪我をしてしまったりする可能性があります。
また、場所をとるため、睡眠時の避難経路を確保しにくいという課題があります。
安全に正しく使うポイント
コットを使用するときは、以下のことに気をつけましょう。
コットの上を歩いたりジャンプしたりしない
(危険性について説明し、コットで遊ばないことを子どもたちと約束する)
通行用のスペースを考えてコットを並べる
破れや壊れたところがないか定期点検をする
目立つ汚れがなくても定期的に消毒をして衛生を保つ
(感染症流行時は毎日消毒したほうがよい)
コットの使用の仕方について職員間で話し合い、共通のルールをつくっている園もあります。
便利な道具だからと言ってそのまま使うのではなく、使い方についてぜひ話し合ってみませんか。よりよい使い方、管理の仕方など新たな気づきが生まれるかもしれません。
佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |