新型コロナウイルスの流行を機に、インターネットを活用したリモート研修を実施する園や自治体が増えているようです。
実際にやってみたという先生たちの声を参考に、リモート研修のメリット・デメリットや成功させるためのポイントなどを紹介します。
リモート研修ってどうやるの?
リモート研修とはインターネットを活用した研修のこと。離れた場所にいる人同士が、パソコンやスマートフォン、タブレット端末などを介して同じ研修を受けることが可能です。ビデオ通話の機能を活用し、資料や写真、動画などを共有することもできます。
場所に捉われず開催できることから、園や法人の垣根を越えて大人数参加型の研修をしたり、在宅ワークの職員が自宅から参加したりすることも可能です。リモート研修は、従来の常識に捉われない新しいスタイルの研修と言えます。
メリットとデメリットは?
メリット
大人数を収容する会場や、会場までの移動や交通費は必要ありません。場所や移動の制限がないのはリモート研修の魅力です。進行の仕方によっては、担任同士が交代でクラスの様子を見ながら研修に参加する、といったこともできます。また、感染症が流行する時期も感染リスクを心配することなく研修を行える良さがあります。
デメリット
回線や機材トラブルが発生する可能性があることです。インターネットが繋がりにくかったり、音声や画像が途切れてしまったりするトラブルは珍しくありません。
また、対面の研修とは異なり歌や手遊びを見せるのが難しいという意見も。画面越しでは伝えにくい内容やコミュニケーションの難しさがあることはリモート研修の課題と言えるでしょう。
成功させるためのコツ
操作方法を分かりやすくまとめる
職員の中にはデジタル機器が苦手な人もいます。ツールの操作方法などは誰が見ても分かりやすいようにマニュアル化しておくとよいでしょう。
リアクションを大切に
ディスカッションをするときは、身振り手振りのリアクションやアイコンタクトも意識するようにします。画面越しだからこそ、リアクションは大切。自分の気持ちを伝えたり、相手の気持ちをしっかり聞いているという意思表示になります。
画面共有機能を活用する
画面共有機能を使って資料や写真などを共有することで理解が深まります。リモート研修であれば、リアルタイムで資料を編集して共有することも可能です。
聞くだけ、見るだけにならない工夫を
リモート研修は講師の話を一方的に聞くだけになりがちです。進行の途中で参加者が発言したり研修の後に感想を言い合う時間を設けるとよいでしょう。
リモート研修にはブラッシュアップの余地あり?
リモート研修を実際にやってみた園では「対面の研修よりも意見交換が活発にできた」「場所に捉われず参加できるので、パートの職員も一緒に勉強できた」などポジティブな感想があがっています。
リモート研修の歴史は保育業界ではまだまだ浅く、工夫次第でさらに質の高い研修にブラッシュアップしていけるでしょう。浸透には時間がかかるかもしれませんが、ぜひ実践してみてください。
佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |