子育てをしながら保育現場で活躍している保育士の方はたくさんいます。制度の充実により、以前よりも仕事と子育ての両立がしやすくなった近年ですが、「復帰できるか不安」「リーダーの仕事はしばらくできない」といった不安や悩みの声も聞きます。
子育てをしながら工夫して保育の仕事をしている先生たちの経験談をもとに、働き方のポイントについてまとめました。
大規模園は休みが取得しやすい?
小規模な園と比較すると職員の人数が多い大規模園。特に乳児クラスは複数担任制で保育補助のスタッフもいるため、急に担任が休んだ場合でもサポートしやすい環境であると言えます。
こういった理由から、育休明けから大規模な保育園で働き始めたという方も。我が子が保育園に通い始めたばかりの頃は何かと体調を崩したり保育園を早退しやすいもの。急に仕事を休む必要性も考慮し、サポート体制が整った職場を選ぶのも選択肢の1つです。
家族のサポートは必須
運動会や発表会が土日に実施されたり、宿泊行事の担当になる可能性もあります。そういった場合は家族のサポートが必要不可欠。園行事の前は実家に我が子を預けているという方もいるようです。夫婦や実家の両親とのチームワークが大切になってきます。
個人の努力ではなく、職場全体が変わっていく必要性
子育て経験の有無によって、職員間に溝が生まれてしまうという現実もあります。「正職員なのにあの人だけ残業をしないでずるい」とか「クラスの子どもたちより我が子優先なの?」といったネガティブな意見に直面したという方もいます。
育児と仕事の両立は決して容易なことではありませんが、自分の育児にも保育にも余裕を持って向き合いたいと考える方は多いのではないでしょうか。
そのためには、個人の努力ではなく職場自体が変わっていく必要があります。なるべく残業をしない風土づくりや、育児中は当番を免除する制度を導入するなど、全員が共通意識を持って取り組んでいくことが大切です。そうすることで「育児中の人だけ優遇されてずるい」という雰囲気はなくなっていくでしょう。
そして何よりも、子育てがしやすい職場環境を整え、子育てをしながら働く姿を後輩たちに見せることは、次に子育てを希望する人々の勇気付けにもなるはずです。
佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |