2歳児〜3歳児クラスでは、子どもたちの興味や発達に応じてはさみの練習をスタートします。はさみを使うことで創造の幅が広がりますが、安全面に配慮することも大切です。保育者はどのように援助をしたらよいでしょうか。ポイントをまとめました。
はさみはいつから?練習に適した環境構成
はさみの練習は2歳〜3歳頃にスタートするのが一般的ですが、落ち着いて座ることができ、言葉で伝えた約束を理解できるのが一つの目安です。使い慣れない時期は、保育者が個別で対応できるようにすることも大切です。
活動にはさみの練習を取り入れる場合、はさみの練習コーナーと他の遊びのコーナーに環境を区切り、少人数で落ち着いてはさみの練習ができるようにするといった手法もあります。職員の人数や環境に応じて適切な計画を立てましょう。
まずは「1回切り」の練習をしよう
最初から複雑な形をスムーズに切ることはできません。はさみの正しい持ち方や動かし方を覚えるためにも、最初は1回切りから始めます。
細く丸めた油粘土は紙よりも切りやすくて練習に適しています。紙の場合は角度によってうまく切れないことがありますが、粘土はどんな角度でも切ることができるので、はさみを使うことが楽しくなるというメリットがあります。
粘土に慣れたら次は細長い紙を使って1回切りをしてみましょう。少し厚みのある紙のほうが切りやすいです。はさみの刃を紙に対して直角にあてるのがポイントなので、感覚を掴めるまでは保育者が手を添えてサポートするとよいでしょう。
興味の度合いや得意・不得意には個人差がある!
同じように練習をしても、1人ひとり興味の度合いは違いますし、はさみが得意な子もいれば不得意な子もいます。
「絶対にはさみの使い方を覚えさせる!」と保育者が意気込んでしまうと、子どもたちにはプレッシャーになってしまうかもしれません。すぐに飽きてしまったり正しい持ち方をなかなか覚えられなくても温かく見守り、子どもたちが自然と興味が持てるように工夫を重ねていくことが大切です。
佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |