保護者に向けて園だよりやクラスだよりを作成するとき、どのようなことに気をつけたらよいでしょうか。読みやすくなる文章作成のポイントを、ライターの視点からお伝えします。
ポイント1・情報を詰め込みすぎない
1つの文章に情報を詰め込みすぎないように注意しましょう。情報を詰め込みすぎることで分かりにくい文章になり、読み手も疲れてしまいます。
悪い例
「秋が深まり子どもたちは園庭で運動会の練習に励んでいますが、室内での活動にも夢中で取り組み粘土制作やお絵かきを楽しんでいる子がたくさんいます」
良い例
「秋が深まり、子どもたちは園庭で運動会の練習に励んでいます。一方、粘土制作やお絵かきなど室内遊びも大好きで、いつも夢中になって取り組んでいます」
悪い例では運動会の話題と室内遊びの話題が1つの文章に収まっていますが、良い例では2つの文章に分割しています。「1つの文章に1つの話題」を意識して書くと、読みやすい文章になります。
また、段落分けを上手く活用することもポイントです。話題の節目で段落分けをしましょう。
ポイント2 ・結論を先に書く
「PREP法」を意識して、結論が先にくる構成にすると内容が伝わりやすくなります。PREP法とは、Point(結論)→Reason(理由)→Example(具体例)→Point(結論)の順番で文章を組み立てる手法のこと。一般企業のプレゼンテーション等でもよく用いられています。注意喚起文や行事の際のお願いなど、正しい情報を伝えたいときには有効です。
ポイント3・文章をスマートに整える
「〜という」「〜のような」という装飾語や「これ、それ、あれ」などの指示語が多いと読みにくい文章になります。また、同じ意味を持つ言葉が重複している場合も同様です。
漢字やカタカナ語の多用にも注意したほうがよいでしょう。
以上のことを踏まえ、できるだけスマートな文章に整えることが読みやすさのポイントです。
ポイント4・箇条書きを使う
箇条書きを用いると情報を整理することができます。内容によっては長い文章で綴るよりも、箇条書きで書いたほうが頭に入りやすい場合もあります。たとえば行事の持ち物についてのお知らせです。
<箇条書きを使わない文章>
「水筒とお弁当、ハンカチ、おやつ、これらをリュックサックに入れてください。また、リュックサックとは別に、取っ手付きビニール袋の中に着替えとフェイスタオルを入れて持参してください」
<箇条書きを使った文章>
リュックサックに入れるもの
- 水筒
- お弁当
- ハンカチ
- おやつ
取っ手付きビニールに入れるもの
- 着替え
- フェイスタオル
ポイント5・子どもたちの姿と、活動のねらいを伝える
「読みやすさ」というよりは、内容の充実度に関係することですが、クラスだよりなどでは子どもたちのいきいきとした姿を伝えられるとよいですね。そのためには、子どもたちの会話の内容や、できるようになったことなどを具体的に描写します。
さらに、活動について伝えるときに「ねらい」についても触れられるとよいですね。ねらいを伝えることで保育者が日頃からどのような意図を持って子どもたちと関わっているのかを保護者に知ってもらうことができます。園と家庭が同じ目線で子どもたちの成長を見守るきっかけにもなるでしょう。
素材集なども使って素敵なおたよりを作ろう
読みやすく、伝えたい情報が正確に届くおたよりを作成することで、保護者とのコミュニケーションも円滑になります。ぜひ、ここでお伝えした内容を文章作成にお役立てください。
また、読みやすいおたよりを作るには、文章の書き方だけでなくレイアウトも重要です。素材集なども活用しながら、素敵なおたよりを作っていきましょう。
佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |