今回お話をお聞きしたのは、保育業界で20年以上働いている保育士さんたち。決して楽しいだけの仕事ではないけれど、続けてきたからこそ分かった面白さがたくさんあるそうです。
3人の先生たちの声を1つずつ紹介しましょう。
真の先生は子どもたちだと気づきました。
保育歴22年 認定こども園 主任 Y先生
「新卒の頃は仕事ができなくて泣いてばかりいました。ピアノも工作も下手で、結婚したらこの仕事は辞めるんだと決めていたのに、いつの間にか22年目になります。保育の仕事の面白さを語り出したらキリがないのですが、子どもと共に成長していけることでしょうか。日々、子どもから教わることがたくさんあります。流行っている歌、季節外れの桜が咲いていること、飼い犬のお世話の仕方など、色々なことを教えてもらえるので私もじっくりと耳を傾けて自分の知識として吸収しているんです。私は先生と呼ばれる側ですが、本当の先生は子どもたちなのかもしれませんね」
教え子が実習生になって戻ってきました。
保育歴35年 認可保育園 園長 T先生
「以前はこの地域の公立園で保育士をしていました。結婚と出産を機に退職したのですが、やはり現場が恋しくなって民間の保育園のパート職員として復帰することに。そして10年ほど前から園長をやらせてもらっています。嬉しかったことは、教え子が実習生になって戻ってきてくれたことですね。泣き虫だったあの子が立派に成長して、保育士になることを目指して頑張っている。こんなに嬉しいことはありません。地元で長く保育を続けていると、こういったサプライズもあるんです」
自然の中で子どもたちとのびのび遊ぶ時間が大好き!
保育歴25年 認可保育園 主任 S先生
「保育士をしていて楽しい、面白いと感じる瞬間はたくさんあります。中でも、自然の中で子どもたちと思い切り遊ぶ瞬間が大好きです。私が勤める園には広大な野原や小山、竹林、果樹園があり自然環境がとても豊かです。子どもたちは自分の頭で考えて自然物と関わり遊びを広げていきます。遊び方が決められていないので、子どもたちの表情もイキイキしています。20年以上保育をやっていますが、自然のパワーに圧倒されたり、新しい発見をしたりする瞬間は今でもあります。自然との関わりはとても面白いですよ」
ずっと成長していける仕事
お話を聞いた3人の先生たちは「これからも新しい保育を探求していきたい」と大変意欲的でした。ベテランの先生たちの言葉から、保育の仕事にはゴールがなく、人としてずっと成長していけるのかもしれないと感じました。
佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |