近年は熱中症による救急搬送者が増加し、政府も熱中症対策の推進を図っています。その一つが熱中症警戒アラートです。
熱中症警戒アラートとは、熱中症の危険性に対する「気づき」を促すものとして、最高暑さの指数が一定以上に達すると発表されるものです。最新情報は環境省の「熱中症予防情報サイト」でチェックすることができます。
アラートが出た場合、いつも以上に熱中症予防に気を付ける必要があります。保育現場ではどのようなことに気を付けるべきかをまとめました。
熱中症警戒アラートが出たら、保育現場はどうしたらいい?
熱中症警戒アラートが発表された場合、主に下記の予防行動をすることが大切です。
- エアコンが効いた涼しい場所で過ごす
- 戸外遊びや散歩は中止する
- こまめに水分補給をする
- 子どもたちの体調に異常がないか確認する
- 園の責任者は、各クラスで熱中症予防行動ができているか確認する
夏場は水遊びをする園も多いと思いますが、アラートが出ているときは水遊びも避け、熱中症になるリスクを減らしましょう。
熱中症になりやすい条件は気温だけではない
熱中症になりやすい気候条件というと、気温が高いことをイメージする方が多いかもしれません。しかし、熱中症を引き起こす要因として、気温、湿度、風、日射、輻射(熱を持った物質が赤外線を出す現象)や、体質、持病など様々な条件が絡んでくるのです。
熱中症は屋外だけでなく屋内でも発生します。湿度が高く無風の屋内で過ごしていて救急搬送された事例も珍しくありません。また、日射や輻射が強いと体温が上昇しやすくなるため注意が必要です。
みんなの命を守るために
熱中症は死に繋がるおそれのある病態です。保育者は適切な見守りや声掛け、環境づくりを心掛け、子どもたちの命、そして自分自身の命も守りましょう。もしも熱中症予防行動が園内で徹底できていない場合は、ぜひ話し合いの場を設け、共通の行動指針を定めましょう。
佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |