特定の食べ物を嫌がったり、食事中に落ち着かない姿の背景には感覚の過敏さがあるかもしれません。
食事に影響を与える感覚は味覚だけではありません。
聴覚や触覚、嗅覚、視覚の過敏さが原因となり食事が苦手になっている可能性もあります。
それぞれの感覚に過敏さがあることで、以下のようなことが起こります。
味覚が過敏
- 茹でた野菜などの甘味を不快に感じる
- 塩気のあるものを食べられない
- カレーなどのスパイスを嫌がる
- 味を辛く感じ、舌を痛がる
聴覚が過敏
- 周囲の話し声や雑音が気になって食事に集中できない
- 自分の咀嚼音が気になる
- スプーンやフォークの金属音が不快に感じる
触覚が過敏
- 舌触りが気になる
- 水分の少ないをもの(肉、魚など)食べるのが苦手
- 葉や茎を食べると痛みを感じる
- 噛むときに歯茎が痛い
嗅覚が過敏
- 苦手な食べ物のにおいがあり、嘔吐してしまうほど不快に感じる
- 特定の食べ物のにおいにこだわりがある
視覚が過敏
- 絵本やおもちゃが目に入ると食事に集中できない
- 特定の色の食べ物ばかり食べたがる/嫌がる
- 特定の形の食べ物ばかり食べたがる/嫌がる
苦手の背景を知ろう
感覚の過敏さ以外にも、過去の嫌な経験や健康面の異常、筋力が弱いことなど様々な理由により食事が困難になってしまうことがあります。複数の理由が絡み合っていることも珍しくありません。
また、発達障害の傾向が強い子は偏食があることが多く、その背景には感覚の過敏さがよく見られます。
まずはその子の日頃の食事の様子を丁寧に観察し、保護者や他の職員とも連携を図りながら食事が苦手な理由を探求していくことが大切です。
佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |