園での体験を修学後にもつないでいくために、保育者はどのような支援をしたらよいでしょうか。進学を具体的に意識する時期には、不安になる保護者もいます。保護者の気持ちに寄り添い、小学校に引き継いでいくために、いくつかのポイントを押さえておきましょう。
園生活との違いを保護者に伝える
登下校や授業、給食など、園生活との違いを具体的に伝えることで、修学後の生活について見通しをもちやすくなります。
きょうだい児がいない家庭の場合は、初めての小学校生活に対して戸惑いが大きくなることも珍しくありません。
また、発達に心配がある子や配慮が必要な子の場合、個人差はあるものの環境の変化に対する不安は大きいはず。園生活と学校生活の違いを整理し、明確に伝えましょう。
就学後の悩みの相談先を示す
保育園や幼稚園を卒園したら、子育てのことで相談できる人がいなくなってしまうと不安になる保護者もいます。小学生になってからも相談役がいることを伝え、不安を和らげましょう。
担任や学年主任、教頭、校長はもちろん、食のことなら栄養教諭、健康のことなら養護教諭など、不安に応じた専門教諭がいることも伝えるようにしましょう。
また、自治体の相談窓口の存在や、卒園後も園に相談できることはあまり知られていません。小学生になってからも、周囲に頼れる人がたくさんいることを伝え、安心してもらいましょう。
保護者の不安感を小学校に共有する
小学校側には、進学する予定の子どもの情報だけでなく、保護者の不安感や、園での支援方法や配慮してることなどを詳細に共有しておくとよいでしょう。小学校側も保護者支援をしやすくなり、就学後の双方のコミュニケーションが円滑になります。
子どもたちが前向きな気持ちで就学できるように
就学に向けて漠然とした不安を抱えている場合は、何が不安なのかを整理してみることが重要です。保護者の不安に寄り添い、丁寧なヒアリングをおこないましょう。
また、保護者の不安は子どもにも伝わってしまうものです。子どもたちが前向きな気持ちで就学を迎えるためにも、保護者の不安を解消することは大切なことといえます。
佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |