めぐみ先生の保育コラム

「保育×地域」の可能性を考えよう

地域における園の役割

保育園や認定こども園は単に子どもたちを預かる場所ではなく、地域の子育て支援拠点としての役割が求められています。在籍する子どもとその保護者だけではなく、未就園児の家庭に対するサポートも園の役割のうちです。

また、地域に開かれた園づくりをすることによって、多様な世代が交わり、地域の人たちが子育てに関心をもつきかっけを生むこともできるでしょう。

 

保育×地域の実践例

ここで、地域に開かれた園づくりの実践例を紹介します。

 

<A保育園(認可)>

月に一度、園庭でフリーマーケットを定期開催している。園の関係者以外も参加することができ、特に近隣に住む家族連れで賑わっている。中には入園先を探している園の親子が見学を兼ねて遊びに来ることもあり、園の様子を知ってもらう機会になっている。

また、地域の商店やキッチンカーも出店するため、事業者と園の交流も生まれている。

 

<B保育園(企業主導型)>

都市部の駅近くにあるB保育園。園庭がないため、天気のよい日は駅の周りを散歩し、商店街の店舗の人々に声を掛けてもらうことが多い。ハロウィンの際は商店街協力のもとお菓子集めゲームをしたり、商店街のスペースを借りて作品展を行ったりしている。取り組みを続けるうちに、地域の人たちにとって「おなじみの園」として知られるようになり、地域の人々に見守られながら保育を行える環境が整った。

 

<Cこども園>

Cこども園は妊娠中の方とその家族を対象とする「産前サポート事業」を実施。保育園の1室を使って月に1度のひろばを開催している。

助産師の相談コーナーを設けたり、マタニティヨガイベントを企画したり、妊娠中の方が安心して過ごせる場づくりに注力している。

生まれる前から子育て支援の拠点となり、地域のママ・パパたちが妊娠や出産、育児のことを気軽に相談できる「かけ込み寺」のような園を目指してる。

 

園のファンを増やそう

地域との繋がりをつくることは、言い換えれば園のファンを増やしていくことでもあります。

 

昨今、利用者や保育者の確保が困難になり、存続が危ぶまれている園も出てきています。「この園に自分の子どもを通わせたい」「ここで働きたい」と感じてくれるファンを増やすことが、園の存続に必要になってくるでしょう。

 

どのような取り組みができるか、ぜひ職員同士でアイデアを出し合ってみませんか。

 

佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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