めぐみ先生の保育コラム

心に残るお別れ会 ~思い出や感謝を形にするアイデア~

お別れ会は、卒園や転園する子どもたちにとって大切な節目です。そして、保護者や保育者にとっても一緒に過ごした時間を振り返る特別な機会となります。

今回は、心に残るお別れ会のアイデアを3つ紹介します。

 

①思い出を振り返る「スライドショー&エピソードトーク」

一年間の園生活をスライドショーで振り返ります。遠足や運動会、発表会などの行事はもちろん、日常の何気ない一コマを写真や動画にまとめてみましょう。楽しかった瞬間や頑張った出来事を思い出し、「こんなこともあったね!」と自然と会話が弾みます。保護者会にもおすすめです。

 

スライドショーの上映中には、保育者が写真を見ながら一人ひとりのエピソードを語ると、より温かみのある時間になります。「○○くんは最初は泣いていたけれど、今では元気いっぱいお友だちと遊ぶようになりましたね」「○○ちゃんはいつも優しくお友だちを助けてくれました」といった具体的な思い出を話すことで、子どもたちは自分の成長を実感し、自信につながるでしょう。

 

子どもたちが飽きずに楽しめるようにするためには、長さを5~10分程度にまとめることがポイントです。また、「この写真はどこで撮ったでしょう?」とクイズ形式にしたり、子どもたちのコメントを吹き出しで表示したりするのもおすすめです。

 

②みんなでつくる「ありがとうの木」

感謝の気持ちを伝え合う「ありがとうの木」をみんなで作ってみませんか。大きな模造紙に木の絵を描き、子どもたちが葉っぱの形をした紙に感謝のメッセージを書いて貼り付けることで、一つの大きな作品が完成します。

 

在園児は「○○くん、一緒に遊んでくれてありがとう」「○○ちゃん、折り紙を教えてくれてありがとう」といったメッセージを、卒園児は「先生、なわとびしたの楽しかったよ」「お友だちと遊ぶのが好きだったよ。ありがとう」と、それぞれの思いを込めて書きます。まだ字が書けない子どもは、保育者が代筆をします。

 

この活動を通じて、子どもたちは「自分は誰かにとって大切な存在だったんだ」と感じることができます。また、みんなで一つの作品を作ることで、温かい雰囲気の中でお別れを迎えることができます。

 

③卒園児からのサプライズ「未来の自分へ手紙」

卒園児たちに「未来の自分へ手紙」を書いてもらい、数年後に園から郵送するサプライズもお別れ会におすすめのアイデアです。

 

手紙には、「小学校に行ったら、どんなことを頑張りたい?」「どんなお友だちを作りたい?」といったテーマを設けると、子どもたちも書きやすくなります。

子どもたちは、「大きくなった自分」に向けてワクワクしながら手紙を書きます。数年後、(例えば小学校の3・4年生)それぞれの自宅に届くようにすると、「あのとき、こんなことを考えていたんだ!」と懐かしさとともに成長を実感できるでしょう。

 

未来の自分への手紙をより楽しいものにするために、「今好きな食べ物は?」「将来の夢は?」など、自分の今のことを書いて未来の自分と比べられるようにすると面白いかもしれませんね。

 

思い出と感謝を大切にするお別れ会に

お別れ会は、ただ「さようなら」をする場ではなく、「ありがとう」や「これからもよろしくね」の気持ちを伝え合う大切な時間です。

 

思い出を振り返り、感謝の気持ちを形にし、子どもたちが安心して次のステップへ進むことができる内容を考えてみましょう。

 

佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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